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『うちでは1日一匹あげてますけど苦手ならチーズとかササミとかでも平気ですよ。』
チーズやササミって何だろ食べた事ないな
『あ、そうなんだ良かったぁ、あとこのゼリーみたいなのは?』
『それは昆虫ゼリーなんですよ、野生では樹液を食べるからこれは必ずあげてください。』
『樹液~へー。』
男の人は感心したようにそういった。
『コオロギあげてみますね』
店員は生きたコオロギをいつものように僕の目の前に差し出した。僕はコオロギを両手でつかみとり頭からムシャムシャと食べた。
『うわっ!グロいですね!でもヤッパリ好きなんですね』
あれ、もしかして嫌われた?
『まさ、どうすんの?虫苦手なのに飼えるの?』
ああっ、飼ってくれるならもうコオロギは食べないからって僕は思った。
女の人はしばらく考えこんで
『虫はかぁくんがあげてくれたらいいやん。』
といった。
『ええーっ?!まさか本当に飼うつもり?』
女の人は店員にこういった
『買います!あとゲージと餌も』
『ありがとうございます。少々お待ちくださいね』
店員が走っていく
『あーあ、買うとは思ったけど…ヤッパリ買ったんや。まさのそういう即決なとこは凄いけどなぁ』『ああ、可愛いわぁ楽しみやわぁ』
まさと言う女人が僕をみて優しく笑った。
僕は内心すごく嬉しくて興奮した。やった!僕の新しいご主人さまだ!お母さん僕の優しいご主人がやっときてくれたよ!
僕は嬉しくてたまらなかった。
戻ってきた店員が僕を掴み小さな箱にいれて新しいご主人に僕を手渡した。
『ありがとうございました。』
『はい、ありがとう。』
ゆっくり揺れる箱の中僕は興奮して飛び跳ねた。
『あ。すごく跳ねてるわぁかぁくんちょっと持ってて』
僕を男の人に手渡し、女の人はレジへゲージを持っていく。そして、戻ってくると、車という乗りもので移動するらしかった。通気孔の穴から男の人は僕の様子をみているようだったので僕はあなから鼻を出してみた。
『おっ、鼻出したでみてみ』
『いやぁほんまや!可愛いい!』
僕は照れて箱の中に引っ込むと動きだした車の中ワクワクドキドキしていたのだった。
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