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新しいお家
僕は車という乗りものに30分くらい揺られていた。
その間にわかった事は僕の新しいご主人さまは、まさっていう名前だってこと。そしてもう一人の男の人はかぁくんっていうらしい。二人は車の中でずっと僕の事を気にしていて、僕に話しかけてくれた。
『モモちゃん大丈夫?』
大丈夫だよ~
『元気そうやで、まさ前みて運転しな危ないで』
『だって気になる、モモちゃん~💓』
『名前はモモちゃんなん?ベタやなぁ、しかも男なのにモモちゃん?』
僕の名前モモちゃん?
『いいの、決めてたんだもん、可愛いやん。』
僕は少し照れた
『ところで今日はどうするの?明日まさ名古屋出張で1日おらんやんか?』
名古屋出張ってなんだろう?
『あー会社に今からいこうと思うねん。昼間ヤッパリ心配やから今日は会社にお泊まりして明日出張から帰ってから家に持って帰ろうと思ってるの、かぁくん明日会社でモモちゃんの様子休み時間にみてあげてよ。』
出張っていうのはどこかに行くってことらしい。会社って何だろう?会社ってとこが僕の新しい家かなぁ?
『仕方ないなぁ、モモちゃん俺が明日は見たるからな、でも会社において怒られないの?』
かぁくんって人は優しい口調でそういった。
『大丈夫だよ。社長に昼間会社におかせてって今日お願いしたもん〓』
『用意周等やなぁ、みんな明日きらたびっくりすんで、なんやこれって』
『モモちゃんは可愛いからみんな可愛がってくれるから平気だよ。会社の人動物好きやもん』
僕は初めて聞く言葉ばかりであまり意味は分からなかったけど、新しいご主人さまの、まさは優しい声だったから、安心した。
しばらくして動きが止まって外にでたらしかった。通気孔から、風が少し入ってくる。緑の匂い。僕は生まれてから一度だけお母さんと一緒に公園って場所にいったとき、お母さんがここは、外で公園っていって緑があるのよ、って教えてくれたのを思いだした。 緑は大きくていい匂いなんだ。
僕は嬉しくて跳ねた。
『あっまた跳ねてるよ、狭いから嫌なのかな、早くゲージくみたてよ』
『本当、暴れてるね、急がないと』
二人は少し急いで何か違う場所に入ったみたい。緑の匂いがしなくなったから。ここが会社なのかな?
まもなくガシャガシャと音がした。
『結構大きいね。どうやって組み立てるんやろ。説明書は?』
『はいこれ。私ご飯とか用意するから組み立てて』
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