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とある警察犬訓練所。
がんっ!!
「きゃいん!きゃいん!きゃいん!」
シェパードの警察犬の『ブルース』は、障害物の壁を飛び越えようとして疾走したまま、思いっきり大の字に激突してしまった。
「ブルースよお・・・もういい加減これくらい飛び越えろよ。」
直轄警察犬の訓練士も、呆れ顔だ。
・・・・・・
「いいかい、スコッチ。この粉末の匂いを嗅ぐんだ。ちゃんと嗅げよ。」
ふんっ!!
ばぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!
どばぁぁーーーーーーーーーー!!
「げほっげほっげほっげほっげほっげほっげほっげほっげほっげほっ!!
粉を鼻息で吹くんじゃねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
辺1面粉まみれにしてどうするんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!」
粉人間と化した訓練士をよそに、顔中を粉だらけのシェパードの警察犬の『ブルース』は、ふてぶてしく後ろ足でガシガシと身体を掻いていた。
・・・・・・
「とびかかれっ!ラガー!」
片腕にウレタンのプロテクターを着けた訓練士は、目を爛々と輝かせるシェパード警察犬の『ラガー』に命令した。
「腹へったぁぁぁぁ!!えさぁぁぁぁーーーー!!!」
「?!」
疾走してきたラガーは、プロテクターを付けた訓練士をスルーした。
ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつ!!
「うわあぁぁぁぁ!!ラガぁー!!俺の弁当を食うなぁぁぁぁぁ!!」
・・・・・・
「おいロッキー、起きろよ。訓練だぞ?」
「ぐーぐーぐーぐーぐー・・・僕さぁー・・・骨付き肉が好きだなあ・・・ぐーぐーぐーぐーぐー・・・」
訓練士がリードを引っ張って起こそう屠も、ボクサー警察犬の『ロッキー』は、鼻提灯を膨らませて熟睡したままだ。
・・・・・・
「こいつら、本当に『直轄警察犬』かよ。」
「やれやれ。本当、こいつらが何で『警察犬』として合格したか解らんよ。」
警察内ではひと呼んで、この4匹のダメ警察犬は、『最低のカルテット』と呼ばれていた。
「こいつら、4匹のでいっちょまえの警察犬なんだから、多目に見ろよ。」
「やれやれ・・・」
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