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ふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁん・・・
「小学生の少女が、この辺で行方不明になったと家族から捜査依頼があった。至急、警察犬の同行を。」
「すいません!他の班が凶悪犯強盗殺人事件の捜査で、殆どの警察犬は出はからっています!!」
「なにぃ?!」
「今、残っている警察犬は・・・」
ブロロロロロ・・・
「わふーーー!!久しぶりに捜査だぁーーー!!」
「あーあ。もっと寝たかったなあ。」
「もう腹へった・・・」
「僕さぁ、この事件で今度こそ手柄取りたいんだけど。」
ワゴンの中でゲージに入った『最低のカルテット』の警察犬達は、久しぶりの捜査以来にドキドキワクワクしていた。
ガチャッ。
「いえーい!捜査捜査ぁ!!」
「何はしゃいでるんだ?ブルース?」
「捜査の前に何か食いてえ。」
「僕さぁ、緊張してるんだけど。」
4匹はぴったりと並んで、次の指令を待ち続けた。
「はぁーい。これ、失踪した女の子が残した帽子の匂いね。さあ、嗅いだ嗅いだ。(本当に大丈夫か?この警察犬で?)」
検察官は、徐に女の子の帽子の匂いを4匹の警察犬に嗅がせ・・・
「ふぅーーーーーーっ!!」
ひらひらひらひら・・・
「おい!!スコッチ!!あれほど鼻息を吹くなって言ってるのに!!こいつ、『嗅ぐ』事出来ねえなら連れてくるなよ!!」
スコッチの鼻息でひらひらと舞った女の子の帽子は、
「うまそう!!」
ぱくっ。
「おい!!ラガー!!大事な証拠品を食うな!!女の子の帽子を離せ!!」
ねちょねちょねちょねちょ・・・
「おいラガー、お前の食慾のせいで証拠品は涎だらけだ!!このデブ!!当分飯はお預けだ!!」
ブチギレたラガーの担当ハンドラーは、反省して耳を垂れているラガーの頭をポカッと叩いた。
「僕さぁ、女の子の匂いインプットしたから大丈夫だよー!!」
「ラガーとスコッチどんまい!!俺に付いてこい!!俺の鼻はどんな匂いもかぎ分ける高性能の鼻だからな!!」
「ロッキー、ブルース。恩に着まーす。」
「どんまい、どんまい結果オーライで良かったぁ。」
ラガーとスコッチは、ブルースとロッキーに抱き付いて、『男』の友情を誓った。
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