3#凶悪犯を懲らしめろ!!怒りの牙!!

3/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
 羨ましがるラガーは、全身アザだらけのパートナーに飛び付いてせがんだ。  「それは後!!仕事中だよ。」「ちぇっ。」    「おまわりさん・・・大変よ!!」    緊張の余り肩で息をする女の子は、パートナーの連絡で廃屋にやって来た刑事にこう告げた。  「ここは・・・!!ここに・・・!!ここで・・・!!」  「お嬢ちゃん!落ち着いて!!」  刑事は、女の子を抱包して落ち着かせようとした。  「ここで・・・猫達が・・・」  「猫?!」  「あ?」  廃屋の奥から、眼鏡で短髪のせむし男が、バタバタと暴れる野良猫をつかんでやって来た。  「この人よ!!私のミーちゃんを殺したのは!!」  女の子は震え声で、その無愛想な眼鏡男を指差した。  「うううううう・・・」  ブルースは、眼鏡男に向かって威嚇の唸り声をあげた。  「まだ待て。ブルース。落ち着くんだ。」  ブルースのパートナーは、リードを引っ張って宥めた。  「そんな事言ったって・・・」  ブルースの鼻はその眼鏡男の衣服に、無数の猫の匂いをとらえていた。  ・・・絶対にあいつは・・・!!  「おい、ガキよお。俺がお前の糞猫殺したんだって?見たんだよな。俺が糞猫を殺したのをよ・・・!!」  眼鏡男は、刑事に抱かれている女の子に手を伸ばそうとした。  「俺、俺の『やってるとこ』見られたんだから・・・生かしておけねえんだよ・・・刑事さん・・・よこせよ・・・そのガキを・・・!!」  「て、てめえ・・・誘拐と公務執行妨害で逮捕してやる!!」  ぷ~~~~~ん・・・  1匹のコバエが、後でパートナーにリードに引かれて待機していたスコッチの鼻の孔中に迷いこんだ。    むずむず・・・  むずむず・・・  「ふぇ・・・ふぇ・・・ふぇ・・・ふぇーーーーーっくしょん!!!!!!」  スコッチは、大きくくしゃみをした。  どっかーーーーーーーん!!  どばーーーーーーーーん!!  スコッチの大きなくしゃみで、廃屋が爆発を起こした。  スコッチのパートナーの衣類が、くしゃみで吹っ飛んで全裸になった。  廃屋の屋根も部屋も全部吹っ飛んだ。  廃屋はみるみるうちに、全壊した・・・  「スコッチ・・・お前の肺活量は、生れつき犬の何百倍もあるって・・・あれほどくしゃみだけはするなって・・・!!」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!