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「よくやってくれた。君のおかげで我が社は、いや世界中の航空業界は救われた」
初老の社長は満面の笑みをたたえ、男の手を取った。
「いやあ、ちょろいもんでしたよ。あの博士、お人好しにもほどがあるってもんです」
「まったく。あんなものを発表されたら、我々はそろって首をくくらねばならんところだったよ」
* *
「遅いなあ。学会の日、勘違いしてたかなあ……」
博士は誰もこない孤島で夕陽を眺めていた。
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