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室田 祐介は、そっと目を開ける。
周りを確認すると、踊り場らしき所に座っている。
どうやら、気づかないうちに屋外の踊り場へと来てしまっていて、いつの間にか眠ってしまったと言う所だろうな。
どうやって踊り場まで来たのかは思い出せないが、確か教室に居たくないからだと祐介はこう考える。
彼は何気なく携帯で時間を確認する。
13時。
もうすぐでお昼休みが終わろうとしている。
祐介は憂鬱な気分になりながら重い腰を上げると、階段下で誰かが走ってくる音が聞こえる。
いや、誰かなんて考えずに分かるだろう。
祐介は顔を綻ばせながらその人物が姿を表すのを待つ。
現れたのは、幼馴染でもあり彼女でもある潮田 麗奈。
麗奈は、祐介を見つけると大きな瞳を輝かせながら声をかける。
「祐介!やっと見つけた!」
彼女は祐介の下へと駆け寄り、腕に絡みつく。
すりすりと頬を寄せる様はまるで猫のよう。
どうやら、やっとと言う事は昼休み中探し回っていたと言う事か。
「麗奈、何の用?」
その問いに麗奈は嬉しそうに口角を上げる。
そして、彼を見つめながら口を開く。
「一緒にご飯でも食べようかなと思って!」
「え?でももうすぐで時間だけど…」
「良いから!」
強引に祐介を引っ張る。
麗奈は強引な所も玉に瑕だが、そう言う所も含めて好きだと彼は思う。
だが、彼は実は隠している秘密があるんだ。
彼女にさえも言えない秘密が…
もし、彼の秘密を知ってしまったら周りの人はもちろん彼女自身も…
彼はその想いを胸に麗奈と手を繋ぎながら教室に戻るのであった。
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