プロローグ

1/1
前へ
/57ページ
次へ

プロローグ

 ――初めてその色を見た瞬間、呆然とした。話には聞いていたけれど、実際に見るものとでは全く違う。  おとぎ話や冗談で聞かされていた、蜂蜜の様で、溶けた黄金の様で、陽の光の様な。これまで喩えられていたもの全てに納得がいった。  鮮やかな夜空の星々も叶わない程の美しい色が、目の前にある。  あまりの美しさに呆然として、同時にそれがどうしても欲しい。傲慢にもそう思ってしまった。  そして、その気持ちは今も少しも変わることはない。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加