序章 浅草六区の「楽々座」の面々

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と 出かけようと したのを 見た 美々ちゃん贔屓の 若いあんちゃんたちが おめかし美々ちゃんに 「おお 美々ちゃん 今日のは惜しかったねえ」と 声をかけて来ました 「逸さんわかってないねえ 今日の空中輪っかの落下しそうなのは あれさ あたいの演出だよぉ ケラケラ」と  相変わらずの口の悪さで 応対する 美々ちゃんに 横の横転師匠 「あれなぁ 実に惜しかったねぇ あんちゃん もうちょっとで 輪っかに服が引っ掛かり 肌も露にだったのになあ ははは」と 今の世なら すぐにせくはらで訴えられちゃうような言葉を 扇亭 横転師匠 言えば バシン~! いきなり 頬を 叩きました 美々ちゃん 「やらしいなぁ 横転さん あのねえ あたいの肌は 旦那さんになる人だけだよ 見れるのはさぁ」と啖呵を切っています しかし 横転さんも めげずに 「ならよぉ 美々 お前 俺の嫁さんになってくれよぉ」と。。。。 それを聞いて  李 美々ちゃん 急に 顔を真っ赤にしては せっかく 出かけようとしたのに 裏口へ飛び込んじゃいました。 そこへ 木戸番の木所君が 座主の 野々村 喜佐治を車椅子に乗せて 出てきましたが 「横転さん うちの看板娘を 泣かしちゃいかんよ 」 と 野々村 席主に 小言を。。。。 「あちゃ すいませんなぁ 席主。ですが あの気持ちは本気なんですけどねぇ」と 横転師匠 舌をペロッと出しては 頭に 掌を当てています どうやら 横転師匠は 美々ちゃんにほの字のようですねぇ
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