プロローグ

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知られちゃいけない恋をした。 私と彼と、あの男。3人だけが知っている。 罪だと分かって飛び込んだ。心を求め、(からだ)を寄せた。 些細な願いは届かない。信じた彼とは、もう会えないーー。 広すぎるベッドの上。冷たいシーツに仰向けになると、小さな天窓から藍色の夜空が見える。 雲隠れする満月が、(しぼ)んだ心を締め付けた。 あの頃見ていた満月は、もっと綺麗に見えたのに。今は、歪んで見えている。 明日はクリスマス。 もう3年も立つのに、未だ涙が出るなんて。 ーー愛してる。 いつかそう言える日を、心のどこかで期待しているのかもしれない。
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