桜が舞い、音楽は鳴る

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『ーーーはっ?』 やっと喉から出した声は男子生徒の声にのみ込まれた。 「時間に空きがなくなったんだよ。はいはい、たいさーん」 その声と同時にわたし達は騒ついた。 どういうこと?なんで? あれだけ練習したのに?は? 「ちょっと!どういうことよ!私達が演奏するって決まっていたじゃない。今更、変えるってどういうことなの?」 部長も男子生徒に突っ掛かる。 『…ユウ……』 「カンナ。部長に任せよう。ね?」 『でも!わたし達…』 わたしがそう言うと、ユウは悲しく微笑んだ。 やだ、なんでそうやって悲しそうに笑うの? ねえユウ……
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