一章

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俺、佐原皇紀。(サハラコウキ) 俺の両親は、俺と産まれたばかりの生後二ヶ月の弟、夏月(かづき)を置いて、天国に行ってしまった。 実感の湧かないうちに、葬式が終わり、あっという間に両親はいなくなってしまった。 うちの両親は駆け落ちだったため、親戚などの連絡先を知らなかった。そんな中、葬式などの準備を進めてくれたのは幼馴染の家の立花家だった。 「…皇紀」 「隼斗…悪いな、何もかもしてもらって」 立花隼斗(タチバナアヤト)、俺の幼馴染である。 「大丈夫か?…じゃねーよな、悪い」 「いーや、意外と平気。両親が貯めてた貯金で夏月そだてられるし。…俺が夏月守ってやらねぇと」
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