人造湖にまつわる怪奇

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今からお話しします現代に起きます都市伝説の原点は、今から百年程前に坂登ると言われています。ある山里の貧しい村に、豊富な水源を得るためその山に囲まれた地形を利用して湖を造りダムを建設する計画が持ち上がりました。そしてその村は、思い出と共に水の底に沈んだのです。そしてその村には、働き者の里富(さっとむ)さんと言います若者が一人暮らしていました。そのダムが出来る数年前に母親を亡くし、農作業で独り生計を立てていました。いつも母親のお墓に花を手向け、昼の休憩にはお墓の前でオニギリを食べるのが習慣でした。それから百年後、その人造湖のダムの周りにはホテルが建ちました。そのホテルの一室の3106号室でみんなでオニギリを食べながらトランプでババ抜きをすると、いつの間にか今までいた人数より一人多いことに気付くそうなんです。でもそれぞれ一人一人顔を見渡すのですが、みんな初めからいた顔に思えて誰が増えたのか分からないんです。そしてその時はみんな何事もなかったかの様に家に帰るのですが、暫くたったある日、その中の一人から妙なメールが届くそうなんです。『あの日から3106時間が経ちました。後何時間でババ抜きは終わりますか?』と…。そしてその後、財布の中から入っているはずのないトランプのババが出てくるんです。その後その人に不幸が必ず訪れるそうです。
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