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2月24日 日曜日
君がいなくなって、もう1年になる。
「お前は私の希望だ」
あの日クマの浮いた顔で、君は笑ってそう言った。
君が歯を見せて笑うのなんて始めてだったから、とても驚いたのを覚えてる。
「どんなに辛い時もお前の事が頭の片隅にあって、私を照らしてくれるんだ」
君がそう言ってくれた時、僕はもう少しで泣いてしまいそうだったけれど。
でも僕の頬には、先に君の涙が流れていた。
君の流した涙はうっかりとヤケドしそうな程に暖かくて、それが僕にはひどく苦しくて。
いつの間にか、僕の涙は引いていた。
もう寝る事にしよう。
おやすみ、サチ。
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