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声が響いた。
暗い。
ただひたすらに暗い。
その暗さに、僕は目を覚ましてしまったのかと思ったけれど、どうにも違うらしい。
何も見えないし、何も触れない。
明らかに僕の部屋じゃない。
立っているという感覚はあるのに、足の裏が地に付いている感触はない。
浮いているような、飛んでいるような。
それでいて、しっかりと立っているような。
酷く曖昧な感覚に、思考は大部分を占められる。
そんな暗いどこかで、「やあ、おはよう」と、声が聞こえた。
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