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次に視界が開けた時僕の目に写っていたのは、白い天井だった。
視界の端に目をやると、1年と半年程前の月のカレンダーが見える。
何でもない日の、何でもない時間。
けれど、もう絶対に帰ってこない時間。
そんな時間を、僕は眺めていた。
「お前は優しいなぁ」
聞きなれた声が聞こえた。
少し低めの、けれど十代後半相応の、女の子の声。
「君はいつもそう言うね、僕はそんな事無いと思うんだけれど」
僕の口は僕の意を介さず、声にそう返した。
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