サチ

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カーテンの無い狭い部屋で、床に寝転がって小さく笑い合う。 大きな窓から入る冬の日差しは、鋭くて、眩しくて。 僕はそれがどうしても我慢ならなくて、長い前髪の上から自分の腕で視界をさえぎった。 「どんなに辛い時もお前の事が頭の片隅にあって、私を照らしてくれるんだ」 まるで独り言のように淡々と声が響いて、それから衣擦れの音がした。
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