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僕は今度もまた、いつか過ごした何でもない日にいた。
「私達は望まれて、幸せを願われて産まれてきたんだ。なら幸せに生きて、最後は笑って死んでこうぜ?」
喫茶店でカレーを食べながら、サチはそう言った。
幸輔と幸子。
僕達は2人とも、「幸せ」という言葉を授かった子供。
だから幸せになろうと、君はいう。
けれど。
幸せになろうと話す君は苦しそうで。
幸せになるには、どうやら線が1本足りなかったようで。
サチが自分で気付いていたかは、わからないけれど。
いつも通りのカレーをその日、サチは目に涙を浮かべながら頬張っていた。
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