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声が響いた。
「やあ、やっと戻ってきたね。どうだった?」
この暗闇は、最初の暗闇。
どこかから響く問いに、僕はうんざりとして返す。
「もういいよ、思い出した、これでもうこの夢は63回目だ」
「63回目か……じゃあ俺はもう63回言っているけれど、これは夢じゃないんだよ?」
「いいや、これは夢だ。僕は僕だけだし、君なんて存在しない。彼女の傷も、涙も、全部僕の知っている事だ」
「そんなにカッカしないでよ、これでも俺だってうんざりしているんだから。なんせ63回も人が終わる所を観てきてる、流石に飽きが来るよ」
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