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君が居なくなった日から半年。
もう半年なのか、それともまだ半年なのか。
まあ、それはいいや。
さほど重要な事でもない。
重要なのは、いつまで経っても傷は傷のままで、肉体と同じように心だって傷は残るだろうって事だ。
それはきっと見るにたえない程に深い傷。
だから癒えても残りさえすれ、埋まることはないだろう。
今の僕の心の傷は、幾重にも重なったためらい傷と同じ。
傷はまだ癒えず、乾くだけ。
だから僕はそこにただひたすらに、癒えないように、自分で傷をつけていく。
君を過去にしないように。
いつも君の記憶と時間が、僕のそばにあるように。
僕はそのために、日々の傷跡を日記にすることにした。
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