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劣悪な環境は、何も住居だけではない。
食べるものも十分に与えられず、いつでもお腹を空かせていた。
母がいなくなった家の中、僕は必死に冷蔵庫や貯蔵庫を開け、何か食べる物はないかと探していた。
すると、急に扉が開く音が聞こえて、躰を小さく震わせた。
「おい、アイーダ。いるのかぁ?
ヒック……来てやったぞぉ」
客だ。
慌てて物置に隠れようとしたが、運悪くその前に男に見つかってしまった。
「お、なんだこのガキ?お前、どこから来た?
……こりゃ、上玉じゃねぇか」
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