地獄の先にあったもの

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 男は二ヘラと厭らしい笑みを見せた。  前歯が殆ど抜けており、それが余計に年取った小汚い貧乏な印象を強めていた。  「アイーダがいなくて、かえってラッキーだったな。   金も払わずにこんな上玉をモノに出来るなんて。   俺はあっちの趣味はねぇが、お前ぐらいの美人なら相手にしてやっても構わねぇぜ」  ふざけるな!!  そう言いたいのに、喉が詰まって唇が震え、言葉が出て来ない。  だが、必死で手足を動かして抵抗しようとした。  その途端、拳で思いっきり右頬を殴られた。  「ッグ!!」  「へっ。抵抗しようなんて、思うなよ……」
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