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小さくなっていく彼の背中を見ながら、二度と会うことはないだろう彼に小さく手を振った。
さようなら、ルカ。
あんたがいてくれて、よかった……
ふと、視線の端にコーヒー片手に戻ってくるザッカリーが映った。
もう一方の手を勢い良く振っている。僕がザッカリーに手を振っているのだと勘違いしたらしい。
「お待たせー。すっごい列が並んでたからコーヒーは後からでも飲めるってモルテッソーニを説得したんだけど、頑として受け入れてくれなくてさぁ。しかも途中から疲れたとか言って、僕だけ並ばせて自分はテーブルに座っちゃうし、まったくもう!
それにしても、さっきまで愛想なかったのに、こっち見て微笑んで手を振ってくれるなんて感激だなぁ」
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