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「ほ、微笑んでなんかない!」
「照れなくてもいいって。まったくレオはツンデレだなー。
あ、もうこんな時間じゃん!早く行かないと。うわっ、モルテッソーニ優雅にコーヒー飲んでるし!連れ戻してくる!」
ザックは急いで優雅にテーブルについてコーヒーを飲んでいるモルテッソーニに声を掛け、スーツケースを手にするとオーストリア航空のカウンターへと向かった。
僕も慌てて彼の後を追い掛けようとすると、モルテッソーニに手首を掴まれ、ウィンクされた。
「Easy, easy」
気楽に、と言ってくれたモルテッソーニはコーヒーを飲み干すと、ゴミ箱に捨て、優雅に歩き出した。
あんな、一面もあるのか……
新たな生活に対して抱いていた大きな不安が、少しだけ軽くなった気がした。
それに反して期待が高まっていくのを感じる。
僕は、未来への一歩を踏み出した。
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