「秘密の花園」という名の檻

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 男子のみの寄宿舎生活であるがゆえ、同性愛者も多かった。  同性愛者には、カップル同士のみで楽しむ者達もいれば、不特定多数との遊びを楽しむ者もいた。  中には、上級生や教師から関係を迫られ、凌辱される学生も少なくないらしい。  その中でも、コミュニティーを形成しているグループがいた。群れを好み、いつも固まって行動している。  「ほら、美人様のお通りだよ」  グループのリーダーであるアダムが、高らかに告げる。  アダムは女王陛下とも親交があるキャンベル家の子息で、監督生でもあった。金髪のきつい巻き毛に狐のようなつり上がった瞳、鼻の周りにはそばかすがたくさんある。    アダムの声を聞いた途端、取り巻きがそれに続く。  「綺麗な顔してるな」  「フフッ……もう後ろの味は覚えたのかい?」  「知らないなら、教えてあげようか?」
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