プロローグ

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 それは、雷に打たれた程の衝撃だった。  まるで、今まで開いていなかった鼓膜が貫通し、全身に浸透して心にまで染み込むような感触だった。   ピアノはただ音を鳴らすためのものじゃない。  心を伝え、響かせるためのものなのだと、シューイチに教えられた気がした。  彼の演奏に憧れ、彼のようにピアノを弾きたいと思った。  いや、そう願った。  その日からシューイチは、僕の憧れであり、目標となった。
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