プロローグ

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 シューイチの演奏しているCDやDVDはもちろん、日本からも雑誌を取り寄せ、彼に傾倒していった。  そこから、彼が27歳であることが分かった。  今まで27歳と聞けば、おっさんだと思っていたのに、秀一は全然違った。  あの時は遠くからだったから、そこまで顔は分からなかったけど、シューイチは彼の演奏そのものを映しているかのように美しく、凛とした佇まいだった。  日本人とは思えないスタイルの良さ、そして日本人には普通に見られないライトグレーの瞳。  それは、シューイチがロシアの血を受け継いでいるクォーターであることからだと知った。  日本だけでなく、世界的に有名なクルスグループ社長の弟であり、彼個人も相当な資産家らしい。  確かに彼からは、セレブリティな雰囲気が漂っていた。  知れば知るほど、シューイチのことをもっと知りたくなった。日本語で書かれたインタビューが読めないのが悔しかった。  彼がどんな風に喋り、どんな風に笑うのか、近くで感じてみたかった。  
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