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もちろん自分の部屋なんてない僕は、客が来ると邪魔にならないよう物置に隠れさせられた。
「ハァッ、ハァッ……あぁ……早く来ておくれよ……」
「分かってる。せかせるな、この売女が……こっちは言い値で買ってやってんだ。楽しませてくれよ……」
耳を塞いでいてもグチュグチュと卑猥な音が鼓膜の奥まで響き、やがて厭らしい喘ぎ声と肉と肉のぶつかる音が地鳴りのように僕の隠れている物置まで揺らす。
ック……早く、終わって……
息を潜め、悪夢の時間が過ぎ去るのを祈る。
僕が女嫌いになったのは、間違いなく母の影響だ。
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