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千載一遇のチャンス
毎晩悪夢に魘されながらも、それでも彼らの手に再び堕ちることなく時が過ぎ、クリスマスが近づいていた。
学校でも寮でも皆、クリスマス休暇の話題で持ちきりだった。
クリスマスを家族と過ごす為、大抵の学生は親元へと帰っていく。
ルカもスイスに帰るのだと、嬉しそうに話していた。
僕は、どうなるのだろう……
もし父に呼ばれなければ、二週間この寮で過ごすことになってしまう。
そこにもしアダムと取り巻きがいたら……そう考えるだけで、身の竦む思いがした。
だが、父から手紙が届き、クリスマス休暇にはスペンサー家に戻ってくるようにとあった。
僕はこれで、暫く学校からもあいつらからも離れられるとホッと胸を撫で下ろした。
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