第4章

11/27
前へ
/27ページ
次へ
「俺の住んでるところ見てびっくりしないでね」 「え?」 その後は無言で僕の手を引くと テヨンはもっと暗く入り組んだ裏道を歩いて行った。 外灯もろくに無いような細い路地裏を キラキラと光る眼をしてのら猫のように進む。 通りは自分たちの足音が ヒタヒタと不気味に聞こえるほど静かだった。 と――。 立ち止まったのはとある雑居ビルの前。 「ここ?」 灰色の高い壁がそびえたつ影。 「そう」 思わず身震いする僕を横目に テヨンは慣れた足取りで地下へ続く階段を下りてゆく。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加