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「ああ、まあ……」
言うとテヨンはソファーの背もたれを飛び越えて
曖昧に返事をする僕の隣に並んだ。
「あのね――」
長い足をこちらに組むとぐっと距離が縮まって
僕はただ息を飲む。
「家は親父と2人暮らしでお母さんはいません」
「うん」
「今は親父が家に愛人連れ込んでて――それで」
「それで……こんなとこに?」
「いや。こっちの方が全然マシ」
テヨンは白い歯を見せて
しっかりした声で言った。
「何がイヤってその女がさ――親父のいない時、俺に迫って来んの」
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