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溜息交じり自虐的に笑って
「抱いて欲しいみたいだよ、俺に――」
テヨンはソファーにしなだれかかった。
「どう思う?先生」
「どうって……」
気だるげな目元は
声にならない苛立ちを孕んでいる。
「だから、親父の愛人が息子の方に気があるってさ。普通の事?」
「そんなの……分かんないよ」
僕はどこまでも情けない教師だ。
「俺、抱いてやった方が良かったかな?」
「そんなこと……僕に聞くなよ……」
質問一つ
ろくに答えてやることができない。
と不意に――。
「なんか言いたそうな顔」
「ア……」
綺麗な指が伸びてきて
熱を持つ僕の頬を悪戯に撫でた。
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