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ようは出会ってから今日まで
僕は弱みばかり握られているわけだ。
「感謝してるよ……助けてくれて……」
脅えた小動物みたいに
上目遣いに僕は目の前の男を見上げて言う。
「それだけじゃないでしょ?」
「え……」
「こないだみたいに言ってよ」
悪魔的な瞳をして
テヨンは僕の耳元に囁いた。
「俺に無茶苦茶にして欲しいってさ――」
今夜
最たる弱みを握ろうとでも言うかのように。
「テヨン……」
言うだけ言うと
見せつけるように長い指が
赤いシャツのボタンを一つ、また一つと外してゆく。
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