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ネオン街を離れ
カン・テヨンは慣れた調子でどんどん暗い通りに分け入って行く。
見るからに治安の良くない一角に入ると
遅れがちになる僕と足並みをそろえるように
テヨンはしっかり指を絡めて手を握り僕の隣を歩いた。
「あの……」
「何?」
緊張が伝播する。
「手さ……」
こんな風に恋人繋ぎで堂々街を歩くなんて
僕の覚えている限り初めての事だった。
「ああ、韓国では男同士でも仲良いとこうして歩くよ?」
何食わぬ顔して言うと
テヨンはその手で僕の肩を抱き
「こんな風にしたり――」
それから
「こんな風にも」
「ッ……!」
不意に立ち止まって僕の唇を奪った。
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