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思えば今日二度目のキスだ――。
一度目は学校の体育館裏で生徒のテヨンに。
二度目は新大久保の路地裏でホストのテヨンに。
どちらもよろしくない相手に
二度も唇を許して僕は――。
「さすがにこんな風にはしないけど」
「バカ……」
見上げれば赤いシャツの上に
ラフなダッフルコートを羽織った彼氏が
白い歯を見せて笑っている。
「行こう」
再び手を握られると
自分の胸の高鳴りがはっきりと分かった。
昼間のテヨンも
夜のテヨンも
どちらも好きになっちゃいけない相手だ。
だけど――。
僕は彼の事が好きなんだ。
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