第4章

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思えば今日二度目のキスだ――。 一度目は学校の体育館裏で生徒のテヨンに。 二度目は新大久保の路地裏でホストのテヨンに。 どちらもよろしくない相手に 二度も唇を許して僕は――。 「さすがにこんな風にはしないけど」 「バカ……」 見上げれば赤いシャツの上に ラフなダッフルコートを羽織った彼氏が 白い歯を見せて笑っている。 「行こう」 再び手を握られると 自分の胸の高鳴りがはっきりと分かった。 昼間のテヨンも 夜のテヨンも どちらも好きになっちゃいけない相手だ。 だけど――。 僕は彼の事が好きなんだ。
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