第4章

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盗み見るようにまたチラリと見上げる。 手を握られ 守られるように道を歩き キスされて頬を染めるなんて――。 まるきり女の子にでもなった気分だ。 「テヨン……」 「ん?」 霞んだ外灯の下。 小声で彼の名を呼ぶと テヨンは足を止め身体ごとこちらに耳を傾けた。 「何でもない……」 告白すらしかねない雰囲気の中。 僕ははぐらかすように首を横に振った。 「何だよ?」 「いや……何でもないよ」 視線が定まらず右往左往して夜の街を泳ぐ。 酔ってもないのに さすがに言えなかった。 (もう一度キスしたいなんて――)
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