第4章

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時折頬を撫でる指先。 喉を反らすと求める分だけ与えられるけれど。 「アア……」 それでいて自分からは決して近づいては来ない。 触れるだけのキスは僕を焦らし 脳味噌までドロドロに溶かしかねなかった。 しかし 舌先を伸ばしかけたところで 「お腹すかないの?」 わざと現実に引き戻すように テヨンは気の抜けた声で笑った。 「お店はすぐそこだよ」 「え……あ……」 放心状態の僕の手を引き意地悪く笑うと テヨンは再び歩き出す。 でも 「ノム キヨッタ」 なんのつもりか。 僕の聞き間違いでなければ 韓国語でポツリ『可愛い』と呟いた。 僕は分からないフリをした。 さすがにこれ以上 緩んだ顔を見られたくはなかったからだ。 だけど――。
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