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テヨンは僕の髪を耳にかけ
もっと深く吐息を吹き込むように続ける。
「それで、この間はできなかったことしますか?」
答えようにも声さえ出なかった。
「先生?」
言葉にされると自分が求める事が
ひどく背徳的で卑しいものだと分かって
返事が出来ないのだ。
「だって……」
出会った日とは違う。
テヨンはもう知らない誰かではない。
僕が仕事に行けば毎朝教室に座っているヤツだ。
「そんなに悩まないでよ」
「え?」
僕がきっと笑ってしまうほどシリアスな顔してたんだ。
テヨンは呆れたように苦笑いすると言った。
「タクヤさんがお客さんなんだから、イヤなら電気消して寝ちゃえばいいんだよ」
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