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食事を口に突っ込んでオスカルの後に続いた。そしてなぜか、一緒に食事をしていたシウスやラウル、ファウストまでが付いてきていた。
「あの、ついてこなくても…」
「面白そうだから来たまでじゃ。気にするでない」
ニヤリと笑うシウスからは、本当に言葉通りの物しか感じない。ものすごく本心だ。
溜息をついて、そのまま一階にある荷の受取所までくる。
ここには手紙や荷物が集められる。一度ここにきて、より分けてそれぞれに運ばれるか知らせがいく。中には不審なものもあって、そうした物はここで検閲が入るのだ。
ランバート宛に届いたという荷物は、大柄な人間が手を一杯に広げてやっとの大きな箱だった。
「大きさに比べて、重さがないんだ。中身も何かわからないし、音もしない。硬い物が入っている様子もなくてさ。宛名からして、危険な物は入っていないとは思うけれど、万が一ヒッテルスバッハの名を語って送られてきていたらまずいからさ」
確かに箱の大きさに比べて、荷物は軽く音もしない。宛名は確かに実家からだった。
「開けますね」
ちょっとドキドキしながら箱を開ける。みんなが怖々と中を見て、次には目を丸くした。
「毛糸?」
「すごい量だよ!」
箱の中はたっぷりの毛糸だった。しかもご丁寧に編み棒や備品まで入っている。
一番上には手紙が、丁寧に封筒に入って封蝋までされておいてあった。手を伸ばし、ランバートは中を読んでがっくりと肩を落とした。
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