いざ、ヒーローショー

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ヒーローの衣装に着替えた俺達は舞台の袖に待機する。 「はーっはっはっ!自己中極まりない人間共!今日こそ覚悟するんだなぁ!」 悪の親玉、クロブク様が雑魚キャラを従えて子供たちをビビらせてる。 正直クロブク様の言い分は正しい気がする。けれどバ〇ドマンみたいな見た目はどうにかならないものか……。 「みんな、エレメンタルレンジャーを呼ぼう!せーの」 ナレーションのお姉さんが会場にマイクを向ける。 「助けて、エレメンタルレンジャー!!!」 子供たちの声に4人で颯爽と登場する。 「お前達の好きにはさせない!」 ビシィッと指をクロブク様に突きつける。 「出たな、エレメンタルレンジャー!行け、お前達!」 「キキーッ!」 クロブク様の命令で俺達に襲いかかる雑魚キャラ達。 練習通りに雑魚キャラを倒していき、クロブク様だけになる。 「くっ……やるな……。だがこれはどうかな?」 謎の呪文を唱えながら人差し指で俺達の頭上を指さすクロブク様。 こんなのシナリオになかったぞ? どうするか考えていると突如頭上に厨二病患者が喜びそうな紫色に光る魔法陣が出現した。 「なんだこれ!?」 思わず声を荒らげる。 「聞いてないぞ!」 俺と似たような反応の金田くん。 「ふひ、ふひひひひ……」 何故か不気味に笑う緑川くん。 「わぁ、すごく本格的だねー。ワクワクするよー」 こんな状況でもブレずにマイナスイオンを発する水谷くん。 紫色の魔法陣は大きくなりながら俺達に落ちていく。 とりあえず逃げねば。 「あれ!?動けない!どうなってるんだ!?」 体が思う様に動かない。 薄紫色の光が大きくなり、目をつぶった。
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