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光がおさまった気がして目を開けると何故か森が広がっている。しかも見たことのない鳥や動物がいるし……。
まるでファンタジーだかRPGの世界にでも迷い込んだようだ。
待てよ、俺達設定は最強だけど実際は最弱パーティじゃないか?これ……。
もしモンスターとか出てきたりでもしたら……。
「ここは……どうなってるんだ?」
「It’sファンタジー!!!ヒャッハー!」
びっくりして振り返ると、いつの間にかヘルメットを外してる緑川くんだった。
「緑川くん!?きみ無名の森とか山とかの奥深くに自生する植物の如く物静かだったよね!?どうしたの!」
「待っててくれよぉ、おれのアリシアちゃーん!!」
緑川くんは人の話を聞かずにどこかへ走り去ってしまった。
アリシアって確か最近発売されたばっかのRPGのヒロインだったよな……。
昨日弟がやってたゲームを思い出す。
待てよ、他のメンバーは?
「はぁ、わけわかんね。なんだここ」
不機嫌そうにいうのは金田くん。よかった、彼はまともそうだ。
「金田くん、これからの事なんだけど……」
「これから?自分でどうにかしろよ。俺は仕事探してくるわ。地獄の沙汰も金次第ってね。んじゃ、お達者で?」
金田くんは手をひらひら振ってどこかへ行ってしまった……。
そして残ったのは……。
「ふぅ……。ここ、空気が綺麗ですねー。変わった動物もたくさん。珍しい魚も、いるのかな?七色の海とかあったら素敵だろうなぁ」
夢見るマイナスイオンこと水谷くん……。
「なぁ、水谷くん。この状況、どうしようか?」
「うーん?……んー、あっ」
「どうした?なにかいい考えでも浮かんだのか?」
人は見かけによらないという言葉にかけてみる。
「ううん、あれ。おーい、やっほー」
手を振り始めた水谷くんの目線の先には水色のスライムがいる。
ああ、こりゃ本格的に異世界だわ……。
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