原案(あらすじ)

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 山田翼が目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。しかも非常識なことに、踊り場の下には段がない!?  周りを見れば、そこは砂漠。ぽつんと建った古ビルの屋外階段で困惑する翼だが、段がないと言っても、地上までの距離は1階分。それに地上は砂地。  取りあえず降りるかと心に決めて飛び降りようとしたとき、翼の前に3人の人間が現れる。が、聞けば3人は3人とも人間ではなく…。  天使と悪魔の間で起こった「ちょっとした」いさかい。そのいさかいに決着をつけるため、ごく平均的な日本人の翼の前に現れたのだと言う3人のうち2人は、それぞれ天使と悪魔の代表。残った1人は判定者。 「これから君にはこの天使と悪魔と一緒に日本に戻り、『常識』を選んでもらう。その常識が正義ならば天使の勝ち、悪ならば悪魔の勝ちとする。選ぶ常識はここから地上に降りるまでの段数分。最終的に勝ち数の多い方の勝利とする」  判定者はそう言うと、これが神様が決めたゲームだと語り、 「ちなみに悪魔が最終的な勝利者になると、地上に災いが起こるから」  と、さらっと。  え? じゃあそれなら正義と判定される常識を選ばないと! と翼は思うが、同行する天使は何だか嫌なやつで、悪魔はうるさいけれどいいやつ。翼はつい悪魔の肩を持ちたくなる。  判定者による常識の判定は1回1回(判定時は屋外階段に戻る)。判定されるたびに、判定者の視点との同異を感じ、翼は時に納得、時に不満をおぼえる。また、同行者である天使と悪魔との常識に対する認識の相違もたびたびあって…。  決着がついたとき、自分がどんな常識の積み重なりの上に立って生活しているのか、翼はそれを知ることになる。
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