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と、いうわけでおれたち【ディスティーノ】は砂漠のオアシスにいる。
礼拝堂から出て来たおれを仲間が待っていた。
「毎回キミも大変ですね……」
「このくらい慣れりゃ普通だぜ?おれにとっちゃ、祈りは日常の一部だ。これをやらないと仕事にならねーよ」
「それが盗賊の言うセリフか…!?」
「盗賊でも信仰心の厚い奴もいる。おれのように」
「この際、神官になっちゃいなよドラゴ」
「やだね。おれは盗賊が性に合ってる」
おれの育ての親は信心深く、仕事の前後はいつも神へ祈りを捧げていた。子供の頃から当たり前になっている神への祈りは、仕事が上手く行くように、滞りなく終わることが出来るように、無事に帰ってこれるように神に見守りをお願いするのだ。
神のご加護とはよくいったもので、ダンジョンでの大きな怪我や不運に見舞われることはない。そして帰ってきてからも同じで、仕事が上手くいったことの感謝を伝えるために祈りを捧げる。
「それに、誰にも発見されてないお宝を探すのはワクワクするんだぜ!」
「あたしは退屈しない毎日を送ることができれば言うことなしよ」
「今回はミイラとか出そうですね!興味深い…」
「フフフ、稼ぐネタが沢山転がってるな…!!」
4人はオアシスを出発してラクダでダンジョンへ向かう。
「皆さんツイてマスネ。昨日までは砂嵐が吹き荒れていたのデスガ、こんなに穏やかな日は珍しいのデスヨ」
ガイドがニコニコしながら言った。
砂嵐の中では1日かかる道のりは、ラクダで2時間揺られれば目的のピラミッドへと着いた。
入り口から中に入ると間隔をあけて灯っている松明のおかげか明るい。ダンジョンの入り口はほとんどが商人や鍛冶職人、治療師が駐在しているのだ。
「オーロじゃないか!景気はどうだ?」
おれたちに気が付いた商人のひとりがオーロに声をかけた。
ダンジョンでの商売をする商人の間では、オーロは有名どころだ。人の手が入っているほとんどのダンジョンはオーロが中心となって販売ルートを切り開いたからだ。仲間になってからは【ディスティーノ】の名で王宮への直接販売ルートも持っている。
「護衛の数は足りているか?」
「ああ、問題ないさ。おかげさまで安心して商売ができるってもんだ!…だがなあ、ここみたいな町から離れてるダンジョンは荷のことを考えると転送呪文を使える魔法使いがいればいいんだが……」
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