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しばらく高速道路を走り、航一のプリウスは大型サービスエリアに入った。休日だからか店内は混んでいた。
土産物屋や現地の名産品などのを見て周る航一の後ろを三春は歩く。
背が高く整った見た目をしている航一を、様々な年齢の女たちが頬を赤らめて目で追っていた。その視線に気づいているだろうに、航一は目もくれない。
うっとりと自分を見詰めている女達よりも、隣の男と幸せそうに話している女や、レジの忙しそうな女などを熱心に見ていた。
航一の好色そうな表情を見て三春は溜息を付いた。
店の奥に当地限定のお菓子が並ぶコーナーで三春は足を止める。三春が好きな〈激辛桃の種〉が数種類置いてあった。
「それは何?」
航一が後ろから覗き込んで言った。
「七味唐辛子味の〈桃の種〉」
試食の箱から〈桃の種〉を二粒とり出して一つを自分の口に、もう一つを航一の掌へ三春は乗せた。かみ砕くと香ばしく辛い匂いが鼻から抜けて行った。
「美味い。辛いけど」
と航一が言った。
「でしょう。僕のお気に入りのおやつなんだ」
「そっちは?」
航一の視線はハバネロ味の試食の箱に注がれていた。同じように一粒取り、航一の口元に持って行くと、三春の指ごと航一が食べた。
(続く)
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