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「んまあ、めごげな子だねえ」
テーブルの一番端にいた航一の祖母が目尻の皺を深くして笑う。
「ほんとおに。女の子みたいにべっぴんさんだなあ。東京はすげえなあ」
「ほんとねえ。航一が男の子が好きなんて聞いた時は、びっくりしちゃったわ。でも三春さんなら惚れちゃうわねえ」
ハンサムという言葉がぴったりの父親と、お饅頭のようにふっくらとした母親が続ける。航一は父親似らしい。
「おれもびっくりしたよ」
向かいにいる弟の優二が笑った。
母親に似て丸っこい外見で、表情も柔らかい。隣には妻と娘の茜がいた。おかっぱ頭の茜は二歳だそうだ。
「ああ。だから跡取りはお前に任せた」
航一が苦笑いした。
「全く、好き勝手するのは昔から変わってないなあ。まあ、男同士でもおれは良いと思うよ。孫はもういるし。で、父さんと母さんはどうなの。結婚を認めてもいいの」
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