763人が本棚に入れています
本棚に追加
「社会人になっても、こうやって飲みに行かれたらいいのにね。私はこの付近の支店に配属されるだろうけど、亜由佳は県内どこでも可能性があるんでしょう?で、旭日は……」
「私も厳しいかも。まずは警察学校に入って、それからどこに配属されるかは分からないよ」
「ふーん、事務なのに警察学校に行くのね」
「期間は警察官より短めだけど」
旭日は大学卒業後、警察事務の仕事に就くことになっている。
詩織の父親が警察官だということで、事務の仕事について知っておきたいことを、詩織を通して質問していたのだ。
これが、内定をもらった後に詩織に連絡を送っていた事情であった。
「なら、格好良い警察官を彼氏候補に探してみれば?」
由実からの提案を聞きながら、旭日はプレートの上に残っているパスタを全てフォークに巻き付けた。
腹十二分目での最後の一口は辛い。ほぼ噛まずに気力で飲み込んで、旭日はあらかじめ準備していた台詞を口にした。
最初のコメントを投稿しよう!