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三月は思わぬチャンスに心の中で歓喜の声をあげた。あくまで仕事の一環だという言い
訳も忘れない。
~放課後、帰り道にて~
結局、二人とも学校にいる時にいい案を思いつくことが出来なかった。
「ねえ、みく」
「ん? どうしたの、お姉ちゃん」
「わたし考えたんだけど、やっぱり、大人のことを知るには誰かで処女を捨てるしかない
と思うの」
神妙な顔でありすはみくを見つめた。
突拍子もない発言に、みくは顔が赤くなるのを通り越して青くなった。
「え? え!? なに言ってるのお姉ちゃん、あり得ないでしょそんなこと、そんな、な
んでそんな結論に……」
「わたしは大真面目よ、みく。悪い芸能関係者がアイドルやグラビアのたまごを自分のも
のにするために言う常套句だけど、的は射てると思う。はっきり言って、処女ではいつま
で経っても大人の雰囲気を出すことは出来ない。どう考えてもそうなのよ」
急にとんでもないことを言い出した姉の両肩をつかみ、みくは必死になって説得をした。
「どう考えてもって……本当にそんな極端な方法しか残されてないの? もう一度冷静に
なって考えなおしてよお姉ちゃん!」
心から姉を説き伏せる妹の様相に多少心を打たれたのか、ありすは「うーん、やっぱり
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