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しかし弁護するなら彼は余裕がない。
1ミリ足りとも欠片ほどにも。それは誰の目から見ても明らかなほど。
何故なら彼の仕事に問題があるから…というか職業ならではといった方が妥当か。
彼はとある出版社で働く編集者であった。
毎日毎日抱える作家達と繰り広げられる攻防の嵐。
愚痴の電話ならまだ可愛いげがある。締め切りを伸ばしてくれと電話やファックスを送ってくる場合も同じく。
しかし散々締め切りを伸ばした挙げ句にボイコット、理由を付けて締め切りから逃げまくる、電話に出ない…等の作家達にはストレスの限界を超えるというもの。
人格すら変えるくらいのストレスに脳が危険信号を発令したが故のこの奇行なら…まだ救いはないだろうか?
それを理解している彼女は決してその行動を咎めたりはしなかった。もちろん文句は言いますが。
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