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おっと、忘れていたわけではないが
飼い主である彼の名前は城戸 隆哉。まぁどこにでもあるありふれた名前だ。
さて話を戻そう。
着替え終わり部屋の電気を消して彼女はリビングへと向かった。
「お待たせ…」
リビングで座って待っていた彼の前に歩き、くるりと一回転して服を見せた。
「可愛い!超可愛い!…ああ…癒さ…ハッ」
可愛い服を着た伊織に歓喜乱舞しそうなほど褒め称え興奮する彼だったが、突如我に返ったように目を見開く。
「…お疲れ様。気がついた…?」
彼女は覗き込むように前屈みになり
飼い主である隆哉を見つめ労うように声をかける。
「…ああ…わりぃ…またやったか…俺は…すまん…可愛いけどさ」
彼女と目が合い項垂れるように、頭を抱え謝る彼は先程とはうって変わってまともだ。
本来、こちらが素なのだ。
一時的にストレスで人格が変わっているだけで我に返れば常識人である彼。
ただ可愛いものが好きなだけの普通の人。ただ人格が変わっている時は主語が抜け欲望のみを口にする故に変態度が飛躍的に増してしまう場合があるようだが。
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