第八章 宣言

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 本当は隼人がそばにいて励ましてくれることが、一番の薬になるのだろうが、今はかなわない。 「どうぞ眼をつむってお楽になさってくださいませ」  少しでも藤音の辛さが和らぐように、桜花は自分も眼を閉じて意識を集中させた。  二人を柔らかな金色の光が包み、重ねた手から桜花の持つ清らかな「気」が流れこむ。  藤音はほうっと息をついた。  何と暖かくて心地よいのだろう。 「……あの時は、ごめんなさいね」  ぽつりと告げる藤音に、手を重ねたまま、桜花は眼を開けて小首をかしげた。 「伊織どのが報告に城に帰ってきた日よ。わたくしはあなたたちに扇を投げつけてしまったわ。伊織どのはあんなにひどい怪我を負っていたのに」  もたらされた知らせはあまりに残酷で、どうしてよいか、混乱するばかりで。
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